静的シールと動的シールの違いを解説

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シーリングアプリケーションにおいては、スタティックシールとダイナミックシールの違いを理解することが不可欠です。それぞれのシールは異なる目的を持ち、特定の条件下で最適な性能を発揮するように設計されています。この記事では、スタティックシールとダイナミックシールの主な違いを詳しく説明し、アプリケーションに最適なシールをお選びいただけるようお手伝いします。
1. 静的シール:
スタティックシールは、シール面間に相対運動がない静止面をシールするように設計されています。これらのシールは、液体またはガスの漏れを防ぐために2つの接合面をシールする必要がある用途で一般的に使用されます。スタティックシールはさらに、以下を含む様々なタイプに分類できます。
ガスケット:ガスケットは、フランジやカバーなどの2つの固定面間のシールに使用されます。通常、ゴム、コルク、金属などの材料で作られ、接合面間で圧縮されてしっかりと密閉されます。
Oリング:Oリングは一般的に動的用途で使用されますが、シール面間に相対的な動きがない場合には静的シールとしても機能します。Oリングは、断面が「O」に似た円形のシールで、通常はゴムまたはエラストマー材料で作られています。
2. ダイナミックシール:
ダイナミックシールは、相対運動する面をシールするために設計されています。これらのシールは、油圧シリンダー、ポンプ、回転軸など、シール面間に往復運動または回転運動が発生する用途で使用されます。ダイナミックシールは、その運動により、静的シールに比べて摩耗が激しくなります。一般的なダイナミックシールの種類には、以下のものがあります。
ピストンシール:ピストンシールは、油圧シリンダー内のピストンの往復運動をシールするために使用されます。ピストンとシリンダーボア間の流体漏れを防ぎ、シリンダーの効率的な動作を保証します。
ロータリーシール:ロータリーシールは、シャフトシールまたはオイルシールとも呼ばれ、機械の回転軸を密閉するために使用されます。シャフトのスムーズな回転を維持しながら、流体や汚染物質の漏れをシステム内への侵入から防ぎます。
主な違い:
静的シールと動的シールの主な違いは、その用途とシール面の動きにあります。静的シールは相対運動のない静止面に使用され、動的シールは動きのある面に使用されます。さらに、動的シールは動きに伴う摩耗や摩擦に耐えるように設計されていますが、静的シールはこれらの力を受けません。
結論として、静的シールと動的シールの違いを理解することは、アプリケーションに最適なシールを選択する上で不可欠です。静止面をシールする必要がある場合でも、相対的に移動する面をシールする必要がある場合でも、適切なシールタイプを選択することで、シーリングアプリケーションにおいて最適な性能と信頼性を確保できます。


投稿日時: 2024年3月30日