回転軸のシールでは、スプリング力を利用したアンバウンドオイルシールが、そのシンプルさ、取り付けの容易さ、信頼性の高さから広く使用されています。中でも、フッ素ゴム(FKM)を主材料とし、FKMコーティングされた布地補強層を埋め込み、ガータースプリングを採用厳しい条件下でも高い性能を発揮します。この記事では、構造上の利点、スプリングの重要な役割、代替シーリング材とその用途について説明します。
I. 構造設計とコアとなる利点
典型的な非境界型オイルシールは3層(図に示すように):
- FKMシーリングボディ:
- ダイナミックシーリングリップ(プライマリーおよび補助ダストリップ)を形成します。
- 利点:
- 優れた耐熱性(最大200~250℃)。
- 油、燃料、化学薬品、溶剤に対する優れた耐性。
- 耐候性・酸化安定性に優れています。
- 布強化FKM層:
- 利点:
- 強化された剛性: 高圧・高速時の変形を防止します。
- 押し出し/摩耗の低減: 耐用年数を延ばします。
- 構造的サポート: リップとシャフトの同心度を維持します。
- 利点:
- ガータースプリング:
- 重要な機能:
- ラジアル力補償: シャフトに対するリップの接触圧力を一定に保ちます。
- 摩耗/緩和補償: 材料損失および応力緩和を抑制します。
- シャフトの振れ調整: ラジアル偏心を補正します。
- 低圧シール: 起動時/潤滑油が少ない状態でもシール性を維持します。
- 重要な機能:
II. 材料の選択と用途
リップ素材 | 主な特性 | 主な用途 |
---|---|---|
ニトリルゴム(NBR) | 鉱油/グリース耐性、コスト効率に優れる、耐熱性は限定的(-40~100°C) | エンジンクランクシャフトシール、ギアボックス |
フッ素カーボン(FKM) | 高温/耐薬品性(-20~250℃); 燃料/オイル適合性 | ターボチャージャー、ケミカルポンプ、高温ベアリング |
シリコン(VMQ) | 広い温度範囲(-60~225℃)、低い圧縮歪み、低い耐油性 | 食品機械、低温機器 |
ポリウレタン(PU) | 耐摩耗性が非常に高い;耐荷重性が高い;加水分解を受けやすい | 油圧シリンダーシール; 重負荷用途 |
アクリレート(ACM) | 高温オイル/ATF耐性(-25~175°C); 低温性能が低い | 自動車用トランスミッション、ステアリングシステム |
注:ガータースプリングは動的なオイルシールに不可欠です。ダストリップには通常、スプリングは含まれません。
結論
非境界型オイルシール(FKM + ファブリック + スプリング)は、材料科学と構造最適化を融合し、過酷な環境下でも高い信頼性を実現します。回転機械におけるシール性能には、スプリングの補償機能と材料特性を理解することが不可欠です。
投稿日時: 2025年7月25日